ダイナミックな舞台装置と情感あふれる所作を堪能
移動式の舞台を使い、3日間で8つの歌舞伎舞踊演目を市内18箇所で披露する日本最大級の野外劇「山あげ祭」。舞台の後方100mの奥行きに館や山といった舞台背景を遠近よく配置する、大掛かりな舞台装置は臨場感抜群です!江戸時代に烏山地方の祭礼で行われた相撲や神楽獅子の奉納余興が、江戸歌舞伎の影響を受け現在の形態へと変化し、今日まで続いてきました。三味線と唄の調べに乗って、演目を演じる踊り手たちの風情ある所作の数々が、往年の江戸情緒を感じさせてくれます。
お祭りの真の主役は演者にあらず!
山あげ祭を語る際、お祭りの準備から当日の進行や雑務のすべてを取り仕切る「若衆」の活躍ははずせません。お祭りを成功に導くべく、情熱をたぎらせ各作業に当たる若衆たちの活動の中でも、特に注目してほしいのが舞台背景の設置。竹を網目状に編んだものの上に烏山特産の和紙を何重にも張り合わせて作る、高さ10数mにおよぶ山を若衆が一致団結して立ち上げる様子は迫力満点!その光景が山あげ祭という名の由来となるほど、お祭りを象徴する存在となっています。