「岐阜」の地名は、稲葉山に居城を移した織田信長が、尾張の政秀寺(せいしゅうじ)の禅僧である沢彦宗恩(たくげんそうおん)が進言した「岐山・岐陽・岐阜」の3つのうちから選んだものといわれています。沢彦和尚は、中国の「周の文王、岐山より起り、天下を定む」という故事にならってこれらの地名を考えたといい、天下統一を目指す信長は「岐阜」の名称を選んで、稲葉山城下付近の「井口(いのくち)」を「岐阜」に改めたといいます。(「安土創業録」から)
なお、「岐阜」という地名は、信長が名づける以前から禅僧の間で使われていたとも言われ、その由来には諸説があります。
岐阜県は日本のほぼ中央に位置しており、関市富之保(とみのほ)には、日本の人口重心(ひとりひとりが同じ重さを持つとしたときに日本全体の人口を一点で支える点)があります。面積は約1万621㎢で、全国第7位の広さを誇り、7つの県に囲まれた数少ない内陸県の一つです。
北部の飛騨地域は、御嶽山(おんたけさん)、乗鞍岳(のりくらだけ)、奥穂高岳など、標高3000mを超える山々が連なっています。一方、南部の美濃地域は濃尾平野に木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川(いびがわ))が流れ、特に長良川中流域は「日本の名水百選」に選ばれるほど美しい清流です。
このように、自然に恵まれている岐阜県は、古くから「飛騨の山、美濃の水」という意味で「飛山濃水(ひざんのうすい)」の地と呼ばれてきました。
岐阜県は海抜0mの平野から3000mを超える飛騨山脈など標高の差が激しいため、岐阜市の平年気温が15.5℃、北部の高山市の平年気温は10.6℃というように、気候も地域によって大きく差があります。
このような複雑な地形や気候の影響を受けて、県内にはさまざまな種類の動植物が生息しています。
岐阜県各地では、1年を通じて、地域の自然条件に応じたさまざまな農畜産物の生産が行われています。南西部の平地では、暖かい気候を生かして、稲作が盛んに行われています。また、中濃、東濃、飛騨地域の山間地から高冷地にかけては、夏の涼しい気候を生かした、夏秋トマト、ほうれんそう、夏大根などの野菜の栽培が盛んです。そして、山地を利用して、肉用牛、乳用牛の飼育も行われています。また、水産業では、鮎漁を中心にした河川での漁業や、にじます、あまごなどの養殖漁業が中心になっています。
一方、古くからものづくりがさかんで、製造業は岐阜県の中心的な産業となっています。全産業のうち製造業の就業者数が占める割合は25.0%で、全国順位6位(全国割合16.0%)と高くなっています。ファッション、陶磁器、家具・木工、刃物、紙、プラスチック、食品などの特色ある地場産業があります。興味を持った方は、是非一度岐阜県にお越しくださいませ。