JA福岡市東部は、2019年4月に、育成・栽培・販売に関わる技術指導の一環として、第2期生のいちご栽培研修を開始しました。福岡市東区では地域全体の高齢化が進み、とくに志賀島では後継者の育成がままならず、古くから栽培が盛んだったびわ・すもも・柑橘類の栽培面積や栽培農家が激減。主力であるいちご栽培も縮小の一途をたどっていました。そこで、2017年9月に、福岡市東区唯一の農業振興地域である志賀島に新規就農者研修施設を建設。地区外からの新規就農希望者を受け入れ、古くから培われてきた、いちご栽培のノウハウを継承し地域に定住してもらうことで、地域の活性化を図っています。
研修生は、受け入れ農家の方の指導のもと、1年をかけていちご栽培のノウハウを学んでいきます。本研修では、冬の収穫に向け、苗の葉を調節する葉かきや、親株から伸びた「ランナー」と呼ばれる茎から出る新芽を、土に根付かせる作業など、初めて経験することばかり。研修生は「今日出ていなかった新芽が、翌日には出ていることもあり、成長の早さを感じながら日々作業をしている」と話し、受け入れ農家の厳しくも優しい指導を受けながら、いちごの収穫の日を夢見て作業を進めていました。生産者および新規就農者の双方から好評をいただいており、非常に有意義な研修が行われていると感じています。
JA福岡市東部は、今後も積極的に新規就農者の育成を行い、技術の継承や産地の維持に努めることで地域が活性化することを願っています。
2019年4月