多彩な色彩とダイナミックな踊りで魅せる「奉納踊り」

豪華な演し物を使ったダイナミックな奉納踊り(ほうのうおどり)で観客を圧倒する「長崎くんち」。寛永11年(1634年)、二人の遊女が諏訪神社前に謡曲(ようきょく)「小舞」を奉納したことが長崎くんちの始まりと言われ、1979年国指定重要無形民俗文化財に指定されています。約380年の伝統を持つ「長崎くんち」は、オランダや中国等の異国の踊りを取り入れながら、現在のエキゾチックな魅力漂う華やかな祭礼へと発展しました。お祭りのメインを飾るのは長崎市内にある59の「踊り町」(奉納踊りを披露する町)が5~7町ごとに7つの組に分かれ、毎年交代制で演じる奉納踊り。7年に1度、出番が回ってきます。ただし、特別枠として参加し、本来の周期以外の年に奉納することもあります。

※能で歌われる詩歌のこと

躍動感溢れる龍踊(じゃおどり)に「モッテコーイ」のコールが続出!

奉納される演し物の代表格「龍踊」は、龍が太陽や月にみたてた玉を追い求めて乱舞する様子を表現します。中国の楽器が奏でるリズムに合わせて、まるで生きているかのように舞う姿に魅きつけられます。龍踊の他に川船やオランダ船等の曳物(ひきもの)、コッコデショや鯨太鼓等の担ぎ物といった様々な演し物が続々登場。奉納踊りが終わると、観客からアンコールを意味する「モッテコーイ!」をはじめとした独特のかけ声が飛び交います。異国の文化を取り入れながら、威厳ある豪華な祭りへと発展を遂げてきた「長崎くんち」は今もなお、長崎の人々に愛され続けています。

※龍踊は複数の踊り町によって毎年のように奉納されていますが、ない年もありますので、詳しくは長崎伝統芸能振興会へお問い合わせください