江戸情緒を今に伝える繊細な人形繰りをご覧あれ

旧相模の国の伝統芸能「相模人形芝居」は、江戸の人形浄瑠璃の面影を色濃く残す日本有数の人形芝居です。当時流行した三人遣い(さんにんづかい)による人形操法によって、まるで意志を持ったかのように人形が動き出します。その自然でなめらかな動きにより、人形たちが演じる物語の世界に引き込まれること間違いなし。芝居の見どころはほかにも多く、中でも相模人形芝居ならではの特徴である、芝居の見せ場で観客に向かって人形を前に傾ける「鉄砲ざし」の構えは必見!名前の通り、鉄砲を構えた姿に似ていることからついた呼び方です。

思わず没頭してしまう、細やかな表現技法

舞台上でイキイキと動く人形たちの所作は、一つひとつが非常に緻密で観客を魅了します。頭のてっぺんから足の先まで人間の動きを見事に再現しており、その演技力と表現の豊かさは人間の役者顔負け。芝居が進むにつれ思わず人形たちに感情移入してしまいます。相模の地で受け継がれ続けてきた、時代が移り変わっても決して色あせない伝統と技を、ぜひ一度ご覧ください。