介護

知っておきたい認知症介護のキホン

介護者である“家族の心”も大切に

認知症介護を行う上で心がけたいのは「完璧な介護を目指さない」こと。病気であると割り切り、休息をとりながら落ち着いた気持ちで介護に向き合いましょう。

介護者である“家族の心”も大切に

認知症介護を行う家族の心理は、
次の4つの段階を経て徐々に平穏を取り戻していく
と言われています。

介護する家族がたどる心理ステップ

それまでしっかりしていた人に理解できない言動が現れ始めたとき、認知症であることを認めたくない気持ちも働き、とまどいや否定の感情を持ちます。周囲に相談できずに悩むのもこのころです。
認知症の症状が進行するに伴って本人に混乱が生じ、意見がコロコロ変わり家族は振り回されて無力感を感じます。家の中が混乱し、未来への見通しが立たず辛い時期でもあります。
「怒ったりイライラしたりするのは意味がない」と家族も理解できるように。「病気だからしかたがない」と気持ちを切り替えることで、ストレスを軽減できる傾向があります。
認知症への理解が深まり、「こういうときに本人が不安になる」という傾向がつかめるように。本人のあるがままを認め、気持ちに寄り添った介護を心がけられるようになります。

介護の負担を減らすために

認知症は介護の中でもケアが
大変だと言われています。
無理せず継続的に介護を行うために、
身近な人に協力を仰ぐほか、
介護サービスの利用も視野に入れて、
介護の負担を軽減しましょう。

周囲に協力を求めよう

POINT
介護の悩みを相談できる相手も見つけておきましょう

今や「認知症は恥ずかしいから隠したい」という時代ではありません。近所の知人や友人など、普段から介護の悩みや不安を相談できる人を見つけ、心の負担を減らしましょう。特に介護経験者への相談は、大きな心の支えになります。

知っておきたい介護のキホン

認知症をきちんと知り、受け入れることで、本人も介護者である家族も前向きに暮らしていくことができます。
介護者の心の負担を減らすためにも、近しい親族を交えて大まかな介護方針、
介護負担について話し合っておきましょう。

監修/亀山 祐美先生(東京大学医学部附属病院 老年病科 特任講師・日本認知症学会専門医)