介護

知っておきたい認知症介護のキホン

在宅介護のポイント

読みたい項目をクリック!

生活環境づくり

認知症の介護では、自分でできることは自分でやってもらうことも大切。“わかりやすさ”と“安全性”を重視した環境をつくりましょう。

環境づくりのポイント

  • くつろぎ、食事、排泄、就寝の場を分ける

    認知症の症状が進むと、排泄の失敗も起きます。衛生的な環境を保つには、食事、排泄、就寝、くつろぎの場を分け、できるだけ適切な場で活動できるよう環境を整え、基本的な生活リズムを保てるようにしましょう。

  • 日にちや時間をわかりやすく

    「今がいつなのか」を一目で認識できるよう、カレンダーや時計はできるだけシンプルなデザインで、数字が大きく書かれたものを選びましょう。日付・曜日・時間が大きく表示されたデジタル時計もおすすめです。

  • 日常的に使うものは見つけやすさに工夫を

    認知症になると、物を整理したり片付けたりすることが困難になります。日常的によく使うものは定位置を決め、使いやすいように収納にまとめましょう。また、引き出しや収納ボックスには「何がどこにあるか」を示すためのラベルをつけると判別しやすくなります。

  • 転倒や転落防止のため整理整頓された環境に

    整理整頓を心がけ、テーブルは角のないものを選ぶ、カーペットは滑り止めテープなどで固定する、床に荷物を置かないなど、安全面に配慮しましょう。不要物処分の際は、トラブルを避けるために本人の目の前で行わないようにしましょう。

POINT
“環境の変化”が、負担にならないよう注意!

認知症の人は、新しい物や環境が苦手な傾向にあるため、多少不便を感じたとしても、環境を変えずにそれまでの暮らしを保つほうが良い場合も。やむを得ない事情で引っ越しなどをする場合は、大切にしている物や使い慣れた生活用品を持って行き、本人の居場所をわかりやすくつくることが大切です。

健康サポート

健康を守るために、体調管理や食事のサポートも大切です。

体調管理のポイント

気候に合った服装・空調管理を行う

認知症の見当識障害により、今の季節を理解できなくなることも。夏は熱中症、冬はヒートショックなどに注意しながら、気温に合った服装選び・空調管理をサポートしましょう。

食事介助のポイント

食事中は近くで見守り、誤飲の危険があるものは片づける

認知症になると、短期記憶が弱くなって食事をしたことを忘れたり、満腹を伝える神経がダメージを受けてたくさん食べすぎてしまったりします。食事をしている間はできるだけ近くで見守りましょう。また、調味料や食品と間違って誤飲しやすい物は食卓に置かないようにしましょう。

こころのケア

認知症になると、物事が少しずつわからなくなっていくことに対し不安やストレスを感じます。できるだけ本人の気持ちを穏やかに保ち、充実した生活を送れる工夫をしましょう。

安心感を与えるために

外出や入浴などで家族の姿が見えなくなる場合は、居場所を知らせるメモを残す
本人の居室に、家族の写真や思い出の品などを飾っておく
電話がワンプッシュで家族につながるように設定しておく

充実した生活のために

ペットの散歩、鉢植えの水やりなど、家庭内での“毎日の仕事”をお願いする
趣味は完璧でなくとも今まで通りに続けられるようサポートする
庭仕事や家の周りの掃除など、体を動かす作業をお願いする
食材の皮をむく、切る、盛り付けをするなど、料理の簡単な作業を手伝ってもらう