認知症の症状が進むと、排泄の失敗も起きます。衛生的な環境を保つには、食事、排泄、就寝、くつろぎの場を分け、できるだけ適切な場で活動できるよう環境を整え、基本的な生活リズムを保てるようにしましょう。
「今がいつなのか」を一目で認識できるよう、カレンダーや時計はできるだけシンプルなデザインで、数字が大きく書かれたものを選びましょう。日付・曜日・時間が大きく表示されたデジタル時計もおすすめです。
認知症になると、物を整理したり片付けたりすることが困難になります。日常的によく使うものは定位置を決め、使いやすいように収納にまとめましょう。また、引き出しや収納ボックスには「何がどこにあるか」を示すためのラベルをつけると判別しやすくなります。
整理整頓を心がけ、テーブルは角のないものを選ぶ、カーペットは滑り止めテープなどで固定する、床に荷物を置かないなど、安全面に配慮しましょう。不要物処分の際は、トラブルを避けるために本人の目の前で行わないようにしましょう。
認知症の人は、新しい物や環境が苦手な傾向にあるため、多少不便を感じたとしても、環境を変えずにそれまでの暮らしを保つほうが良い場合も。やむを得ない事情で引っ越しなどをする場合は、大切にしている物や使い慣れた生活用品を持って行き、本人の居場所をわかりやすくつくることが大切です。
認知症の見当識障害により、今の季節を理解できなくなることも。夏は熱中症、冬はヒートショックなどに注意しながら、気温に合った服装選び・空調管理をサポートしましょう。
認知症になると、短期記憶が弱くなって食事をしたことを忘れたり、満腹を伝える神経がダメージを受けてたくさん食べすぎてしまったりします。食事をしている間はできるだけ近くで見守りましょう。また、調味料や食品と間違って誤飲しやすい物は食卓に置かないようにしましょう。