介護

知っておきたい認知症介護のキホン

認知症介護で心がけたいコミュニケーション

認知症の人は、想像がつかないほど大きな不安のなかで毎日を過ごしています。相手の感情を穏やかに保てる接し方を心がけると、介護も楽になってきます。

基本のコミュニケーション

  • 笑顔でスキンシップを図り、愛情を伝える

    たとえ相手が仏頂面だったとしても、“笑顔で接する”ことが大切。手や肩をさすり、スキンシップを図って安心感を与えましょう。手をつないで散歩するのもおすすめです。

  • 相手の目を見て気持ちを伝える

    話しかけても相手が反応しない場合でも、笑顔で相手の目を見て「見守っているよ」「安心してね」という気持ちを伝えましょう。

POINT
“環境の変化”が、負担にならないよう注意!

「わかる?」と何度も聞いて相手を試すような態度をとると、「バカにされた」という思いを相手に植え付け、信頼関係が失われていきます。また、相手が“拒否行動”を行う場合に力づくで物事を進めることも厳禁です。“何かしらの理由がある”と捉えて、相手の気持ちに寄り添いましょう。

介護の現場で活用されるコミュニケーション「バリデーション」

介護の現場で活用されている「バリデーション」は、認知症の人が感情や記憶を表に出せるように促し、言葉や行動の奥にある本当の思いに歩み寄るコミュニケーションのこと。バリデーションにおける6つの基本的態度を、家族間の認知症介護にも取り入れましょう。

6つの基本的態度

  • 介護する側がイライラや不安を抱えていると、相手も不安になります。気持ちを落ち着かせて応対しましょう。

  • 認知症の人の気持ちを汲み取りながら耳を傾けること。単に話を聞くのではなく、「理解したい」という姿勢で接することが大切です。

  • 「○○なんですね」と共感したり、仕草を一致させることで、価値観を共有して、会話をスムーズに進めていきます。

  • 「ダメです」「違います」と相手の言葉や行動を否定・評価したり、相手の感情を抑え込もうとしたりせず、ありのままを受容しましょう。

  • 「早く食べて」など、こちらのペースに誘導せず、「食べたくなったら食べて」と常に相手のペースに合わせていきましょう。

  • 嘘をつくことで相手をなだめたり落ち着かせたりしようとすると逆効果に。信頼関係を築くために、相手に共感し極力本当のことを伝えましょう。