理学博士。自身のリハビリ体験を元にした「レインボー体操」を考案。
全国のJAで、レインボー体操の指導・普及に携わっている。
レインボー体操は、簡単にいうと血液循環体操です。筋肉を動かすことで血流をよくし、血液中の酸素と栄養を細胞に届け、細胞から二酸化炭素と老廃物を受け取って心臓に戻すことで、健康をめざします。痛みや衰えが気になる部分の筋肉を動かしたり、刺激することで、症状の改善が期待できるんですよ。例えば、ひざの痛みや歩行能力の衰えが気になる場合は、足首、ひざの関節を柔軟にする動きを。物忘れが気になる場合は、「外側の脳」と呼ばれる手に力を入れたり抜いたりする動きを繰り返します。慣れると、動かす方向やちょっとした動きの違いで、動く筋肉が変わるのがわかるはず。基本の動きがわかってコツを掴んだら、痛みや違和感を感じるところを重点的に動かすよう、ご自身でアレンジしていただける体操なんです。
レインボー体操は、始めるとすぐに体がぽかぽかしてきます。それが、血流がよくなっている証拠。受講生の方も、来るときと帰るときの顔色が全然違うのがわかります。「体が軽くなった」「来たときより、手が上がるようになった」と言って帰られる方が多いですね。また、足が痛くてひきこもりがちだった方がいたのですが、仲間にひっぱられて通ううちに効果を実感されて、今ではデイサービスで自分が教えるまでになっています。そんな皆さんの声や反応を聞くと、とてもうれしく思います。
健康維持のポイントは、血液の巡りをよくすること。それに気づいていない方がまだ多くいらっしゃいます。今は、人生100年の時代です。その人生を、寝たきりにならず、自立して楽しく生きてほしい。そのために、レインボー体操をこれからも普及していきたいと思っています。レインボー体操を習慣にした人は、以前に病気をしても、また元気に生き生きと過ごしている方が多いんです。寝ながらでもできるほど、とても簡単なので、まずは目覚めたときに布団の中で試してみてください。