介護

今日から始める食事で介護予防

シルバー世代の食事で大切なのは、「食べたい」という気持ちと「食べやすい料理」

食事は健康な体を長く維持するための基礎となります。
加齢に伴う食欲の低下に負けず「毎日しっかり食べ続ける」ために食事を楽しむための心得やテクニックを身につけましょう。

食事量の減少によって身体機能の低下が加速

シルバー世代の方に起こりやすい食事量の減少は、さまざまな健康上のリスクを引き上げる恐れがあります。

体の中のエネルギーとたんぱく質が欠乏した状態。気力や体力の衰えに加え、免疫機能の低下のリスクが高まります。

免疫力の低下を招くため、ケガや病気の治りが遅くなったり、感染症などにかかるリスクが高まります。

加齢などによって筋肉量が減少する中で、栄養不足などが重なり、全身の筋力・身体機能の低下が起こる症候群のことを指します。

体全体の筋肉量が減り、身体機能が低下するため、介護要因となる「嚥下障害」や「寝たきり」の原因になることも。

食事量の減少サルコペニアによって巻き込まれる「フレイルティサイクル」

フレイルティとは身体機能や精神・心理的活力が低下した状態のこと。この状態から悪循環に陥ると、さらに身体機能や心理的活動などを低下させてしまいます。

身体機能が徐々に低下するフレイルティサイクルを断ち切るカギは食事です

食べる量が減り、さらに加齢による筋力低下などが加わって、一度フレイルティサイクルに陥ってしまうとますます身体機能は低下してしまいます。フレイルティ状態は、サイクルをどこかで断ち切らない限り少しずつ悪化していき、いずれは要介護状態に。元気な体を維持するために、まずは食事をしっかりとってフレイルティサイクルを断ち切らなくてはいけません。

フレイルティサイクルを断ち切るために食事の量をキープ!

食べないといけないとわかってはいても、なかなか若い頃のようにはいかない……。そんなシルバー世代の方に適した、食事との向き合い方をご紹介。

身体機能が徐々に低下するフレイルティサイクルを断ち切るカギは食事です

しっかり食べることを“継続”することが重要なので、体に良いものを我慢して食べて食事への意欲をなくすくらいなら、程度にもよりますが「おいしい! 食べたい」と思うものを食べるようにしましょう。

身体機能が徐々に低下するフレイルティサイクルを断ち切るカギは食事です

食べる量が減った理由は人それぞれ。自分はなぜ食べなくなったのか、どうすれば食欲がわくのかを考えて、自分にあった解決法を見つけましょう。

身体機能が徐々に低下するフレイルティサイクルを断ち切るカギは食事です

おいしい料理を作っても、噛みにくかったり、飲み込みにくかったりすると食べるのがおっくうに。また、時間ばかりかかって疲労の原因にも。ストレスなく食事が楽しめるように食べやすさを意識して調理しましょう。

自分の食事の状態について、日頃から意識することが大切

加齢に伴う身体機能や精神面の変化が原因で、若い頃のように食事をとることが難しくなっていくのは事実です。大切なのは自身の変化を敏感に察知し、気づいた変化に柔軟に対応すること。健康を維持して元気な日々を過ごすためにも、「自分はまだ大丈夫」と思っているうちから、些細な変化に気づけるよう「今の身体状態」について日頃から意識することを心がけましょう。

監修/江頭文江先生
(地域栄養ケアPEACH 厚木代表)