シルバー世代は加齢に伴う心身の機能の衰え(筋力・骨密度の低下など)によって現れる「老年症候群」が原因で要介護状態に陥ることが多いといわれています。以下のような症状に心当たりはありませんか?
ほかにも | 虚弱 排尿障害 認知機能の低下 脱水 足部のトラブル 口腔機能の低下 関節痛 免疫機能の低下 など |
---|---|
ほかにも | |
虚弱 排尿障害 認知機能の低下 脱水 足部のトラブル 口腔機能の低下 関節痛 免疫機能の低下 など |
シルバー世代の介護予防にはこれらの「老年症候群」の予防に取り組むことが重要です。
自分の体の状態を把握して、適切な予防行動を取るように心がけてください。
身体機能は時間をかけて衰えていくため、自覚症状が出る頃にはかなり低下が進んでいるというケースも。
なかなか気づけない体の衰えの兆候を見逃さないように、普段の生活を振り返ってみましょう。
老年症候群を予防していつまでも健康で若々しくいるための土台となるのが「栄養」「運動」「社会参加」の3つです。
それぞれの土台が果たす役割についての正しい知識を身につけて、生活の改善を図りましょう。
まずは毎日3食バランスの良い食事をとることで、体に必要な栄養素を十分に摂取することを心がけましょう。なかでも筋肉や骨の材料となるたんぱく質やカルシウムの摂取はとても重要。1日の摂取量の目安は、たんぱく質が約50~60g、カルシウムが約600~750㎎といわれています。
出典:公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット高齢者の食事摂取基準」
食事でしっかりと栄養を補給した後は、運動で体を鍛えて元気な生活を送る上で欠かせない身体機能の維持・改善に取り組みましょう。
*どれだけ人間らしく、自分らしく日々を過ごし人生に幸福を見出しているかを尺度としてとらえる概念のこと。
歩く、立ち上がる、しゃがむなど、活動の源となる動作に必要な筋肉を鍛える運動をご紹介します。
テーブルやイスの背に手を添えて立ちます。その状態でかかとをゆっくりと持ち上げます。
持ち上げたかかとをストンとおろします。素早くおろすことで、骨に加重をかけることを意識しましょう。
|
足は肩幅に開き、つま先はまっすぐ前を向けた状態で立ちます。かかとは床につけたまま、胸を張り、膝がつま先よりも前に出ないことを意識しながら、4拍子のリズムでゆっくりと腰を下ろします。
4拍子のリズムでゆっくりと膝を伸ばしながら、元の姿勢に戻ります。
|
足を肩幅に開いて立ち、右足を前に踏み出します。
体を前に倒さないように気をつけながら、腰を垂直に下ろします。この時、膝が足のつま先よりも前に出ないように。8 拍子数えたらゆっくりと腰を上げて元の姿勢に戻り、左右を入れ替えて繰り返します。
|
つまずき・転倒の予防や体の一部への負担の軽減、腰痛、尿失禁の予防などにつながる、姿勢の矯正とバランスを鍛える運動をご紹介します。
イスに座って背筋を伸ばします。おへそを体の内側に入れるように、骨盤を後ろに倒します。目線はおへその方向に。
おへそを前に突き出すように骨盤を起こし、天井に向けて背筋を伸ばします。(腰などに痛みを感じたらすぐにやめてください)
*テーブルやイスなど、バランスを崩してときに体を支えられるものの近くで行いましょう。
|
イスに座って背筋を伸ばします。肛門を締めるように力を入れて、骨盤底筋を真上に引き上げます。そのまま10秒間キープしたら力を抜いて、引き上げた筋肉を下ろします。
|
イスに座って背筋を伸ばします。体はまっすぐなまま、脇腹をギュッと縮めるようにお尻の右側を持ち上げます。左右を入れ替えて繰り返します。
|
イスに座り、腕を交差させながら体を丸めます。手はしっかりと後ろに引くこと。
腕を広げながら、背中で肩甲骨同士がくっつくように思いきり胸を張ります。肘は胸の高さまで上げます。
|
イスに座って背筋を伸ばします。お腹を締めた(引っ込めた)状態で、口をすぼめて息を「スーッ」と大きく吸い込みます。
お腹を締めた状態を維持しながら、口をすぼめて息を「フーッ」と大きく吐き出します。
|
監修/中伊豆リハビリテーションセンター