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JA共済が2009年より取り組んでいる、自転車交通安全教室(生徒向け)。警察等と連携して中学校や高等学校等で開催し、スタントマンが危険な自転車走行に伴う交通事故を再現することで、
交通事故の恐さとともに、安全な自転車利用の必要性を伝えている。スタントマンの一人として真剣に活動に取り組む岡村花衣さんに、活動への意気込みや喜びについて伺った。

岡村 花衣(おかむら かえ)さん

小学生の頃からスタントマンになりたいという夢を抱く。
JA共済の自転車交通安全教室への参加をきっかけに、
(有)シャドウ スタントプロダクション 交通安全事業部に所属。
スタントマンの一員としてチームを組んで、事故の恐怖を伝える活動を続けている。

交通事故は命に関わります。だからこそ、私たちスタントマンも命をかけて演技をします。

生徒たちの表情が徐々に真剣になることを実感

自転車交通安全教室の終盤、トラックの下敷きになった女性がそのまま30mほど引きずられると、会場は悲鳴とざわめきに包まれる。引きずられていた女性は、スタントマンの岡村花衣さん。「悲鳴が聞こえることで事故の恐さが伝わっていることを実感します」と岡村さんは話す。
この自転車交通安全教室は、危険な自転車走行に伴う交通事故の一例をスタントマンが実演することで、危険性を疑似体験させる教育事業(スケアード・ストレイト教育技法)。全国各地の学校を訪れ、中学生や高校生を対象に行っている。
初めは笑みを浮かべて雑談しながら参加している生徒たちも、自動車と自転車の衝突実験の衝撃や、違反運転による交通事故をみるうちに表情がこわばっていく。「キャー…」「恐い」「大丈夫?」などの声も上がる。衝撃的な場面を目の当たりにした生徒たちの様子の変化を感じ取りながら、岡村さんは「実際の道路で同じ思いをしないで欲しい」と願いを込めて語る。

憧れのスタントマンを目の前に、新たな可能性を見出す

小学校低学年の頃、テレビのドキュメンタリー番組を見て、スタントマンとして活躍する女性に憧れたと言う岡村さん。女性にはなかなかできない仕事にチャレンジしたい気持ちが芽生えたとのこと。 筋肉トレーニングや体操に励み体づくりに対する努力は欠かさなかったが、当時の岡村さんにはスタントマンの知り合いもおらず、夢を実現するための糸口が見つけられていなかった。そんなときに出会ったのがJA共済の自転車交通安全教室だ。
「本当にたまたまだったんですけど、私が通っていた高校でJA共済の自転車交通安全教室が行われたんです。プロのスタントマンの方々の演技を見て交通事故の恐ろしさが伝わり、衝撃を受けました。その日のうちに声をかけさせていただいて…」。
小学校の頃に憧れた「エンターテインメント」とは異なった一面に触れ、「教育」というスタントマンの新しい可能性に感動を覚えた岡村さん。「運命的な出会いを感じた」と目を輝かせる。

「一回」を肝に命じ、全力で事故の恐怖を伝える

生徒の一人として参加した当時、特に岡村さんの印象に残ったのが(冒頭で紹介した)トラックに引きずられるシーン。プロのスタントマンになって1ヵ月ほどでその大役を演じることになった。練習を重ね、多くの演目を任されるようになったが、「決して慣れない。いつも初心に返る」ことを岡村さんは肝に命じている。
「先輩方にも言われていることですが、スケアード・ストレイトでのスタントの仕事はやり直しがききません。私たちはいろいろな学校で何度も演技をしていますが、生徒たちの立場に立ったら一生に一回あるかないかの機会です。一発で自分にできる最高の演技をして事故の恐怖をリアルに伝えたい」。 その言葉通り、リハーサルに真剣に取り組み、本番前に何度も車に当たる練習をして気を引き締める岡村さん。「一回」という言葉にかける想いを伺うと「事故も一回。その一回が取り返しのつかない結果になる。かっこ悪いからなんて思わずにヘルメットをつけたり、ルールはしっかり守って欲しいです」。

自分や大切な人の姿を心に浮かべて、真剣に見てもらいたい

岡村さんのみならず、スタントマンは常に命をかけて演技に臨んでいる。「交通事故は『命』に関わります。だからこそ、私たちスタントマンも『命』をかけて演技をします。生徒たちには、自分や大切な人の姿を心に浮かべて、真剣に見てもらいたいです」。
また、イベントが終わったあとに、「大丈夫ですか?」「すごかったですね」などと生徒たちに声をかけられることもあると言う。「中には握手やサインを求められることもあるんですよ(笑)。自分の演技が伝わって、事故の恐ろしさをわかってくれたのかなって思えて誇らしくなりますね」と岡村さん。
さらに、活動を続けることの喜びについて伺った。
「自分自身がプライベートで運転しているとき、自分の演技を見ているかどうかは別にして、交通ルールを守っている中学生や高校生を見かけるとうれしくなります」。ルールを守れば、ルールが自分を守ってくれる。そう思う中学生や高校生が一人でも増えることを願い、岡村さんは体を張って交通安全の大切さを伝え続ける。